梱包材としての木箱

木箱は、その名の通り木製の箱で、物流の現場ではダンボールと同じくらい使われている梱包材です。しかし木箱は、ある程度の重量があるものや壊れやすい機械などを入れても重ねての保管が可能ですし、強度が必要な場合にも役立ちます。ダンボール梱包では使用できないものを入れる、ということに適しています。ただし何の製品を入れるかにもよって、材質な大きさ、重量なども変わってきますし、その用途によって構造も変わってくるのです。例えば間に隙間があるようなタイプですと、防水の効果はまずありませんが、安価に購入することができます。サイズについてはJIS規格が定められており、ある程度は決まっているそうです。しかし、特別な物を入れる場合などのために(カスタムできる製品向け)、オーダーメイドのものもあるそうです。

工業包装に利用される紙とは

私たちが普段何気なく使っている紙ですが、実は、工業包装にもよく使われているのです。では、どのように使われているのでしょうか。
たとえば、ロール紙と呼ばれるものは、デパートにおいて、買い物をしたときに使われる包装紙や、チラシなどに用いられることで有名ですが、工業包装にも使われます。光沢があり、印刷しやすいという特徴があるため、使いやすいのです。
また、クラフト紙は、印刷しにくく、見た目もあまり綺麗とは言い難いものですが、しかし、強度が高いため、工業包装に使われます。日常生活では、たとえば、ガムテープや、紙袋においてよく使われています。
また、ポリエチレン加工紙と呼ばれる紙は、耐水性や防湿性、さらには伸縮性、そして透明性などにも優れているため、非常に便利であります。スーパーなどにおいて、野菜を包装するためにも、よく使われています。
様々なものがあると知ることで、楽しみましょう。

工業包装に使用される紙

包装には、紙やダンボール、木材、プラスチック、ガラスなど様々な材料が使用されています。
ロール紙は、片面に光沢のある紙で、原料により純白ロール、Sロール、Gロールに区別されます。
デパートなどで使われる包装紙や小袋の他、チラシ、カートンの内貼りなどに使用されますが、軽量工業包装用にも利用されます。
クラフトパルプを原料としたクラフト紙は、針葉樹を原料として作られ、褐色で表面はやや粗く、外観は劣りますが強度は強くなります。
食料品、嗜好品、機械類などの包装に用いる油紙は、化学パルプを原料とした原紙を、油で処理をして作られます。
ポリエチレン加工紙は、耐水性、防湿性、耐寒性、伸張性、透明性などに優れており、野菜類などの包装に適しています。
古紙や石灰乳蒸解のわらなどを主原料とした黄板紙は、安価な組立箱や表紙、紙管などに用いられます。

野菜の梱包について

消費者は野菜を購入する際に「おいしさ」「安全さ」「新鮮さ」という3つの要素を決め手にしています。しかし、消費者が3つの要素を確信するためには、購入して食卓に上がるまでは分かりません。未知な商品を購入するポイントとなるのが梱包方法です。
実際に売上を確保している生産者の9割以上が梱包を工夫しています。売れる梱包の最大の特徴は「シンプルで野菜の状態が良く見える」です。消費者は値段→鮮度→産地の順番で野菜の価値を測ります。従って、梱包の状態にあっても野菜の品質がクリアに見えている必要があるのです。必然的に梱包資材(パッケージ)デザインを工夫することになります。パッケージデザインを考案する際には、消費者が生産者に求めていることを考えてみましょう。洗練された原色デザインよりも、暖かさや温もり、田舎の新鮮な空気を伝えられる親しみやすいデザインを目指すとよいでしょう。

香りを味わうお茶には包装形態もいろいろ

食材と包装形態の組み合わせが昔から変わらないものは多く、お茶を例にとると「茶筒」という食卓でお馴染みの金属缶やお店で使われていた木製の「茶箱」、紅茶の「ティーバッグ」などがあります。茶筒は、湿気などを嫌う茶葉には金属というバリアー性の優れた素材が使われ、一方のティーバッグは、アルミ積層フィルムで酸化防止や香りの保持に最適な包装が行われています。さらに、ティーバッグの袋の中には酸化防止効果を高めるため、窒素ガスが充填されており、包材もPE(ポリエチレン)+AL(アルミ箔)+NY(ナイロン)という徹底ぶりです。また、茶筒はプラスチック包材登場後もその優れたガスバリアー性からいまだ使われていますが、金属の容器のなかに「低反応型」と言われる発熱がほとんどない脱酸素剤を入れて劣化を防いでいます。

袋包装でもシールの仕方はいろいろ

日本茶や紅茶といった香りを楽しむ食材の包装によく使われているのが、アルミ箔積層フィルムによるガゼット袋です。マチ付きと言われるガゼット袋は、ロール状に巻かれたフィルムを円筒状にし、縦シールでマチを作った後、食材を投入した後横シールで密封され切り離されるといった工程で製造されています。ガゼット袋のような袋状にした包装には、シールする場所によって分類される2方・3方・4方シールや、喫茶店のテーブルによく置かれている砂糖のスティック包装、ステンティングパウチなどがあります。2方シールはチューブ状にしたフィルムを底→充填→トップとシールするもので、3方シールは折り返したフィルムの開いた3か所がシールされ、4方シールは縦の両サイドと底・トップをシールして作られています。

茶葉はアルミ箔積層フィルムのガゼット袋

食品包装は、昔から食材によっていろいろ特徴ある包装形態が存在していました。現代のように、包装材がプラスチックに置き換わってもそれは変わりません。プラスチックによる食品包装でも、日本茶・紅茶といった茶葉やコーヒーのような粉末状の食材によく使用されているのが「ガゼット袋」と呼ばれるものです。マチ付きの袋という意味合いのガゼット袋という形態にして、酸素や水蒸気といった食材の変質や風味の劣化をアルミ箔積層フィルムで防止している包装です。マチ付きとすることにより、内容量を増やすことが可能となるうえ、最近の食品販売の主要なスーパーマーケットなどでも自立させて陳列できることから、流通面でも好まれる包装形態となっています。さらに、アルミ箔積層フィルムは窒素ガスや二酸化炭素に包装内部の空気を入れ替えてしまう「ガス置換包装」や「脱酸素剤封入包装」などにも活用されています。

プラスチックフィルムあっての削り節包装

食品包装は、食生活の時代の流れも反映させなければいけません。昔なら、ほとんどの食材を購入して調理していたものが、包装容器の進歩とともに調理済みとなる加工食品がスーパーマーケットの陳列棚の多くを占めるようになってきています。このような流れの変化を後押ししたのが、プラスチック包装材の進歩をはじめ食品加工技術、製造技術などです。なかでも、フレッシュさを売り物にした削り節はハイバリアー化した包装材の出現無くしては流通しなかったと言われています。流通し始めた当初の小袋入り削り節は、日本で開発されたとりわけガスバリアー性の優れたエチレン・ビニルアルコール共重体(EVOH)を使うことで、消費者に違和感なく受け入れられました。その後、さらにガスバリアー性が向上したプラスチックフィルムのおかげで、増々食品包装の活用範囲も拡大しています。

小袋が始まりの削り節のプラ包装も変貌

香りと風味が楽しめる削り節は、必要な時使う分だけ削っていた時代は終わり、プラスチック製の袋から使う分を出す時代へと様変わりしています。削り節は、外気が侵入することで外気に含まれる湿気と酸素で、あのふわふわ感はなくなり、酸化で香りや風味が損なわれてしまう、といった非常にナイーブな食材と言っていいでしょう。プラスチック包装材がありとあらゆる食品包装に使われている現代でも、この食材がもつ特色を損ねることは許されません。そこで、削り節のプラスチック包装が登場し始めた当初は、フレッシュパックと呼ばれた一人分程度(5g入り)の小袋包装にすることで、新鮮さを保てるように考えられていました。そのうち、酸素や水蒸気などのバリアー性に優れた素材の出現や窒素ガス置換といった包装技術の導入で、削り節の包装分量も少しずつ拡大されるようになっていきました。

手軽さ優先の時代に即した削り節の包装形態

昔から日本人にとって欠かせない食材に鰹節がありますが、生活の知恵から生まれた長く保存できて使う時は新鮮な香りと味わいを、削り節という形で達成していました。獲った鰹を燻製にすることで水分が抜かれ、表面も硬くなって長期保存が可能でした。削り節にするのも使う時に必要量だけ削ることで特段問題が生じなかった食材も、手軽さ優先の時代に入り、どうしても削り節を包装する形態に変わっていかざるを得なくなってきました。そこで、酸素を遮断する包装材が使われると共に、包装単位を極力少なくする工夫などが生み出されていきました。豆腐に添付される削り節は、一人前程度の量に見合った小袋にしたり、調理のときに使いきれる程度の量にしたりといった現実的な包装が今では行われています。