醤油の製造過程から知る昔人の技のすごさ

はじまりが安土桃山時代と言われる日本古来の調味料である醤油がもつ香りと風味は、食品包装という視点でみるとなかなか一筋縄ではいかない難しい食材の一つと言っていいかもしれません。この醤油は、昔なら木桶、いまでは大手メーカーでは大きなタンクを使った発酵のうえ、酸素を遮断した熟成を経て、出来上がった「もろみ」から絞り出した液体に「火入れ」という加熱殺菌が施され包装となります。熟成からもろみを絞り、火入れまでを酸素を遮断して行うことで、あの醤油独特な香りや風味、赤褐色という色合いが備わっていきます。この赤褐色は、メラノイジンという色素によるもので、熟成で50%、火入れで残り半分が作られていくことがわかっており、いずれも酸素を遮断したアミノ・カルボニル反応と呼ばれるものです。